石川哲郎先生のJ.S.BACH「フーガの技法」(ピアノ版)が音楽之友社から11月26日発売予定。定価3,360円
バッハ最晩年の作曲で、ポリフォニー作品の最高傑作とされる「フーガの技法」のピアノ独奏版。楽器指定がなく一声部一段の「オープンスコア」で書かれているため、従来はアンサンブルで演奏されることが多かったが、20世紀後半から独奏鍵盤楽器のために書かれた作品と再認識されるようになり、現在ではピアニストも数多く演奏している。本書は現代ピアノでの演奏を想定して楽譜を大譜表にし、この複雑な構造を独奏で表現できるように、編者が長年にわたり入念に研究した運指を加えた。バッハが主題に凝らした多彩な技巧──反行・転回・拡大・縮小・分解・装飾的変化を、自分の手で音に実現していく作業の面白さは無類。演奏会の新たなレパートリーとして、また作曲や理論の学習用として、多方向に活用できる。 |